羽田野直道・講義関連資料(振動波動論:月曜一限)

まとめ・資料・レポート

期末試験

試験問題解答例を掲載しました。

レポートも考慮した最終成績の分布は以下の通りです。最高は97点、最低は17点でした。
点数 0〜 10〜 20〜 30〜 40〜 50〜 60〜 70〜 80〜 90〜
人数 21 28 21 24

優:33名
良:29名
可:31名
不可:7名
欠席:9名
合計:119名


ミスプリ

「1月15日の分のまとめ」の式(29)の3行下にミスプリがありました。 「さらに領域2L<x<2Lに」は「さらに領域L<x<2Lに」の誤りです。 プリントを修正しておきました

レポートを書くときの心構え

レポートを書く際は、「私は講義の内容を良く理解しています、レポート問題の主旨を良く理解しています」とアピールすることを基本姿勢にして下さい。 これは、やがて書くはずの卒業論文(中には大学院で書く修士論文・博士論文)の準備のためです。
卒業論文は「正解」が書いてあるかどうかで評価されるわけではありません。 (そもそも研究には予め正解があるわけではありません。) 卒業研究で学んだはずのことを、しっかり自分の物にしたかどうかが評価されます。 レポートは、そのための練習の場ととらえてください。
正解を書けば丸がつくという受験勉強の考えから早く抜け出しましょう!

受講の心構え

大学は自分の頭で考えることを学ぶところです。 予備校のように講師をカリスマ視してはいけません。大抵の場合、失望してしまいます。 大学の講師は間違えます。 講師の言っていることが正しいかどうかを常にチェックしながら聞いてください。 講師の言うことを各自が咀嚼し、良いと思えば受け入れる、間違っていると思えば反論する、わからなければ質問する、という態度を身につけましょう。

質問があったら

講義がわかりにくかったら、それは聴衆が愚かなのではなく、講師の教え方が下手だからです。 講師はわかりやすい講義に努力する義務があります。 しかし、大学の講師は教育の専門職ではないので、完璧な教え方はできません。 そのとき、聴衆には質問する義務があります。

質問は、できるだけ講義中にして下さい。 あなたがわからなかった点は、おそらく同じ教室の多くの方がわかっていません。 質問すれば、きっと他の方に感謝されます。

もし、後から質問を思いついた、レポート問題を解いていてどうしてもわからない点がある、などの場合は、にメールして下さい。 なお、氏名を書かずにメールを送るのはマナー違反です。 また、記録のためにも学生証番号を併記して頂けると助かります。


講義内容予定

振動現象と波動現象を微分方程式や線形代数などの数学を使って理解することが、この講義の内容です。 初めに、1自由度(例えば、バネにつながれた重り)の振動を、ニュートン方程式を使って解析します。 次に自由度を増やした場合(例えば、幾つかの重りがバネで直列につながれている場合)を、複数のニュートン方程式を連立させて解析します。 このとき、連立微分方程式を解くために行列の対角化が必要になります。 そこに現れる固有値と固有ベクトルが「基準振動」と呼ばれるものです。 そしていよいよ、自由度を無数にした極限として波動を解析します。対応する微分方程式は波動方程式と呼ばれます。 最後に、波動を解析するために必須の手段としてフーリエ解析を学びます。 そこには直交関数系という数学が関わってきます。 フーリエ解析は今後の他科目でも非常に重要になる項目ですので、必ずマスターしましょう。
  1. はじめに:この講義で何を学ぶか
  2. 1自由度系の振動
    1. 減衰振動・過減衰・臨界減衰
    2. 強制振動・共鳴
  3. 多自由度系の振動
    1. 連成振動
    2. 基準振動
  4. 1次元系の波動
    1. 縦波と横波
    2. 波動方程式
    3. 反射と透過
  5. フーリエ解析
    1. 基本的な考え方:波の分解
    2. フーリエ変換
    3. 位相速度と群速度
物理の課題 必要となる数学
1自由度系の振動 2階常微分方程式(斉次および非斉次)
多自由度系の振動 線形代数(対称行列の対角化)
1次元系の波動 偏微分方程式
フーリエ解析 直交関数系

参考書・問題集・演習書について

教科書は指定しません。 本講義では、私が複数の参考書を適宜参照しながら独自のまとめ方で講義しますので、特定の参考書に沿ってはいません。 参考書は、基本的には各自が好みにあったもの、わかりやすいと感じるものを選ぶのが良いと思います。

例えば以下があります(この限りではありません):

なお、フーリエ解析については特に以下の参考書をお勧めします。


レポート提出について

講義の途中に何度かレポート問題を課します。 解答は、ただ計算結果のみを書くのではなく、人を説得するような丁寧な説明、教科書や参考書のような説明を記述して下さい。 これは科学的文章を書くための訓練を意図しているので、解答の書き方も採点対象です

レポートは参考書を見たりしながら解いても構いませんが、絶対に丸写しはしてはいけません。 また、何人かで一緒に解いても構いませんが、絶対に全く同じ文章を出してはいけません。 各自、自分が納得した内容を自分の言葉で書いて下さい。


成績評価方法

相対評価にするために、成績評価は期末試験とレポート点数を併用します。 昨年度の場合、ほとんどの方は期末試験の成績をそのまま付けましたが、ボーダーラインの方について、レポート点数・出席チェックで成績を上下しました。 ただし、今年度も全く同じようにするかは現時点で不明です。 試験とレポートのいずれにもベストを尽くして下さい!
連絡先:

153-8505
東京都目黒区駒場4−6−1
東京大学・生産技術研究所

電話:03−5452−6154
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