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If you are intersted in joining our group, visit our group if it's possible. Even if not, either call me at +81-4-7136-6977 or e-mail me at hatano (followed by an at-mark and iis.u-tokyo.ac.jp).

Principle of Education<

当研究室は広い意味での物性理論、特に統計物理学の研究室です。 研究テーマをキーワードでまとめるとすると
非平衡統計物理学
量子統計物理学(とくに非平衡量子統計物理学)
複雑系(複雑ネットワークや経済物理学)
といったあたりになります。 しかし、方針としては研究固有のテーマは設定せず、
新しい分野を切り拓くような研究
を目標にしています。 既にあるテーマ(例えそれが魅力あるテーマであっても)を深める(後追いする)研究ではなく、
他の人から後追いされるような研究
を目指しています。 目指す境地は
僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
(高村光太郎「道程」より)
です。

皆さんの中には、どこかで話に聞いたテーマを念頭に志望研究室を探しておられる方もおられるかも知れません。 しかし、「どこかで話に聞いたテーマ」は、おそらく既にかなり研究が進んでいるテーマでしょう。 それを今から研究しても他の人の後追いになる可能性が高いのではないでしょうか。 そのため当研究室では、「こういうテーマを中心に研究している」と宣伝することは敢えてしていません。 新しい「道」をつくろうという意気込みのある方は是非、当研究室へどうぞ! (そうは言っても、どんな研究をしているかくらいは知りたい、という方はこちらへどうぞ。)

学生さんの研究テーマは基本的に学生さんご自身で選んでもらっています。新しいテーマに挑戦してもらうことを希望しています。 現在も、それぞれの学生さんが異なったテーマで研究しているため、非常にバラエティーに富んでいます(こちらを参照)。 私が研究したことのないようなテーマを、学生さんが勉強して私や研究室のみんなに教えてくれる、そして、私と二人で、あるいは研究室のみんなで議論し、アイディアを出しながら研究を盛り上げる。 それが理想とする研究の進め方です。

皆さんが将来、研究者になろうとしているなら、このことは特に重要にです。 よく研究されているテーマを、そのテーマが専門の教員に指導を受けながら研究を進めるのは

安心して研究を進められる
という利点があります。しかし、そうやって研究した成果を、先生と共著の論文として出版すると、それは皆さん個人の仕事としてでなく
その先生のグループの仕事として認識されてしまう
という可能性が非常に高くなります。

逆に当研究室では、私が専門としているテーマ(こちらを参照)を学生さんたちにもやらせることは基本的にしません。 学生さんたちの中には、私が専門としていないテーマを研究している人もたくさんいます(単著で論文を書いている人もいます)。 そのような状況なので

本当に自分のやっていることが物理として重要なのか不安に感じる
という人もいます。しかし、敢えて言いましょう。
それこそ最先端の研究をしている証
なのだと。自らが面白いと思う研究は、必ず他の人も面白いと思ってくれるに違いないと信じて、自らを奮い立たせるのが、真の研究者の姿だと考えます。

研究は賭けです。 自分の時間を賭けて、成功すれば成果が挙がりますが、失敗すれば貴重な時間が無駄になります。 その不安感と戦いながら進めるのが本当の研究です。 それを味わってこそ、一人前の研究者に成長できるのです。

以上のようなことを書くと、まるで私が学生さんたちをほったらかしにしているように思われるかも知れませんが、むしろ逆です。 当研究室では、技術的なことはミッチリと指導いたします。 英文論文の書き方、学会発表の仕方、数値計算のためのプログラミングを始め、学会の申し込み方、論文の読み方のこつなど、細々としたことでもどしどし相談に乗ります。 研究完成までの「3つの壁」を乗り越えられるよう、丁寧に指導します。 具体的には「大学院で学ぶべきこと」をご覧下さい。

進学する方には次の2つの条件を望みます:

  • 自主性:自ら新しいテーマを設定する意欲
  • 研究交流:私と、そして研究室のみんなと毎日のように、積極的に議論する
逆に、それ以外の技術的なことは丁寧に指導いたしますので、上の2つを兼ね備えている方には、きっと満足していただける研究室だと思います。 M1の頃からどんどん論文や学会発表できるように指導していくつもりです。我こそはという方の進学をお待ちしています。