研究室HP:http://htnlab.iis.u-tokyok.ac.jp/


教員紹介HP:http://hatano-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/hatano/index-j.html


研究テーマ:統計物理学・物性基礎論・量子基礎論を中心にさまざま


研究内容:

当研究室では、統計物理学あるいは物性基礎論に少しでも関係するテーマを幅広く研究しています。現在のメンバーの現在の研究テーマを挙げると、以下のように多岐に亘ります。

  1. 共鳴状態による時間反転対称性の破れ

  2. 量子ドットの電気伝導の厳密計算

  3. ナノデバイスの量子熱電効果

  4. 複雑ネットワークのグリーン関数による構造解析

  5. 量子系の非平衡揺らぎ

  6. 準周期ポテンシャル中のグラフェンのディラック分散関係

  7. 量子スピン鎖における外場によるエンタングルメント生成

  8. 3体エンタングルメント指標の必要十分性

研究室全体で一つのテーマに向かって進んでいくのではなく、様々な話題に幅広く対応できる研究者に各メンバーが成長していくことが、当研究室の最終目標です。

大学院生の皆さんの研究テーマは、各自の希望を最大限に尊重して決めます。研究室に入る時点で既に研究テーマを決めている方には、それを論文として完成させるまでの技術的な点(研究計画の立て方から、数値計算の手法、論文英語、学会発表の方法まで)をしっかりとサポートしていきます。研究テーマが決まっていない方も、おおまかな興味から出発して徐々に絞っていくという研究テーマの選び方を指導します。

研究室見学へ、是非どうぞ。場所はこちらです。

量子ドットの電気伝導を、共鳴状態から計算するための留数解析。タイト・バインディング模型に量子ドットが付随した模型の、複素波数平面における(a)遅延グリーン関数と(b)先進グリーン関数の積分路。この積分路をそれぞれ(c)と(d)のように変形させ、さらに両者を加えると(e)のように、全ての極からの寄与に帰着します。ここで、上半面の軸上の極が束縛状態、下半面の軸上の極が反束縛状態、第4象限の極が共鳴状態、第3象限の極が反共鳴状態を表します。これによって、量子ドットのコンダクタンスが極の寄与のみで表される、つまり背景積分が存在しないことが明らかになりました。[K. Sasada, N. Hatano, G. Ordonez, J. Phys. Soc. Jpn. 80 (2011) 194707]