2008年度 羽田野研合同夏期セミナーのしおり

今年も羽田野研合同夏期セミナーを開催致します。 今回のテーマはグラフェンです。

参加希望の方は 7月9日までに 西野 までご連絡ください。

みなさん、奮ってご参加下さい。

お知らせ

宿泊先

日程

2008年午前  午後
21日(木) 現地集合(〜13:00) 講義 (14:00〜17:00) 夕食、Welcome Party
22日(金) 朝食(8:00〜) 講義 (9:00〜12:00) 昼食(12:30〜) 自由時間 (レクリエーション) 夕食、懇親会
23日(土) 朝食(8:00〜) 講義 (9:00〜12:00) 解散

講師

講義内容

量子ホール効果からトポロジカル絶縁体へ―グラフェンを舞台に

よく知られているように、グラフェン―単層(2次元)のグラファイト― は、(しばしばK点、K'点と呼ばれる)ブリルアン・ゾーン内の2点でギ ャップレスになった特異なバンド構造を持つ(ということをこの講義の 出発点としたい)。この2点の近傍において、キャリアは実効的に質量 ゼロのディラック方程式に従い、また位相πのBerry位相が生じる。こ のため、磁場中に置かれたグラフェンにおいては、特異なゼロ・モード を持った(相対論的な)ランダウ状態が形成され、その結果として、グラ フェンにおける量子ホール効果の量子化則は通常の半導体に対するもの とは異なったものになる[1]。(このあたりまでで、講義前半。)

講義の後半では、Kane-Mele模型[2]を題材に、スピンホール効果から Z_2トポロジカル絶縁体へと話しを展開していく。スピン軌道相互作用 があると、先のK点、K'点においても小さなバンドギャップが開く場合 がある、ということに注目する。このような状況で有限サイズの―つま り、エッジ(端)のある―サンプルを考えると、量子ホール効果の時と同 じように、バルクではギャップが開き絶縁体となったサンプルの端に局 在したギャップレスのエッジ状態ができていることが分かる。実はこの エッジ状態、スピン・アップとダウンでペアになっているのだが、系の 時間反転対称性と関連してZ_2トポロジカル絶縁体を特徴づける重要な 指標になっている。

[1] K.S. Novoselov et al., Nature 438, 197-200 (2005); Y. Zhang et al., ibid., 201-204.
[2] C.L. Kane and E.J. Mele, Phys. Rev. Lett. 95, 226801 (2005); ibid., 146802

参加資格

参加申込フォーム

レクリエーション

費用

交通