研究室HP:http://glia.c.u-tokyo.ac.jp


教員紹介HP:http://bio.c.u-tokyo.ac.jp/laboratories/kawato.html


研究テーマ: 脳生物物理学、分子細胞生物物理


研究内容:

脳での精神現象を担う高次情報変換を生物物理学と分子細胞生物学で解明する研究を行っている。神経シナプス伝達に伴う電気信号、Ca信号、ニューロステロイド信号など情報の受信・変換・発信メカニズムを解析する。電気生理・顕微光イメージングなどの計測法を縦軸、分子細胞生物学を横軸として、研究している。

.記憶学習中枢の海馬が合成する男性・女性ホルモンは新しい型のモジュレータであり、グルタミン酸受容体に働き、記憶学習機能を活性化する。多電極を用いた電気生理とレーザー顕微システムを用いて、神経ネットワークや神経シナプスの交信機構を解析。

.性ホルモン補充療法は、老化により海馬で引き起こされる認知症やアルツハイマー症の治療法として最も成功しており、世界的中で1000万人に対して行われている。この効果の原理が、脳神経で合成される女性・男性ホルモンが、性ホルモンとしてではなく、神経シナプス成長因子として働いていて、その作用を補充療法が活性化することによると、発見した。常識に反して、雄の脳の方が雌の脳より女性ホルモンを多く合成するので、雄の神経回路が出来上がるのです。記憶中枢で雄雌の神経回路の違いを探っている。ストレスホルモンによる海馬の抑うつを、性ホルモンが改善する機構も解析。

.海馬での性ホルモン合成酵素と受容体からなるネットワークの遺伝子解析。

KOマウスや遺伝子改変マウスを用いた解析。

.脳型コンピュータのアルゴリズムを見つけることを目指した研究。

神経シナプス3次元配線の数理自動解析法の開発を進めている。