講師:渡辺優さん(物性研・加藤岳生研)
タイトル:量子推定理論を用いた不確定性関係の定式化と達成可能な下限
概要:量子測定過程における誤差と擾乱の満たす不確定性関係を定式化するためには、測定結果がどれだけ情報を持つか、また、測定の反作用によってどれだけ情報が失われるかを考える必要がある。今回、量子推定理論を用いることによって誤差や擾乱がFisher情報量によって定量化されることが明らかになり、それらの満たす不確定性関係を求めることができた。 さらに、これまでに不確定性関係として広く予想されていた、交換関係によって与えられる下限が一般には達成できないことを示し、達成可能なより厳しい下限を求めた。
[1] Physical Review A 84, 042121 (2011).