題目:AlV2O4における7量体形成によるスピンシングレット状態 概要: 近年、価数揺動スピネル型化合物AlV2O4(Vサイトがパイロクロア格子を構成)の X線回折実験と帯磁率の有限温度の解析が行われた。 これらの実験によれば、この物質は低温でユニットセルが2倍周期超構造を持ち、 全体の7/8サイトがスピンギャップ状態、1/8サイトがS=1状態をとる。 この物質に対して、スピンシングレット形成する7Vサイト(7量体)と 残りの1VサイトでのHund則によるS=1状態による7量体模型が提案されている。 7量体模型は上記の実験事実を説明することができるが、 如何にして7サイトでスピンギャップ構造を持つかが不明である。 本発表ではこの問題に対して軌道自由度、結晶場、電子相関を取り入れた 7量体のクラスター計算を用いて議論する。